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openpageのメンバーに共有する、ベンチャー起業のドゥハウ(約6,000字)

openpageのメンバーには、将来ベンチャー起業をしてみたいという方がかなり多くいます。これまで一人ひとり、質問に答えたり、飲みに行ったりしながら起業の相談を受けたりしていたのですが、同じ話をすることも多くあったため、「ベンチャー起業論」について自分なりの考えをまとめて共有しようと思います。openpageのメンバー向けに書いた内容なのですが、外部の起業志望の方にも役に立つ内容だと思います。

通常の起業とベンチャー起業は異なる

ベンチャー起業はよく話題に出るのですが、実はあまりよく理解されていないように思えています。私の勝手な定義では、ベンチャー起業とは「ベンチャーキャピタルの力を借りながら10年以内の時間軸で上場企業レベルの時価総額とガバナンス体制に持っていくこと」だと考えています。
一方、通常の起業は外部の資本を頼らない限り、経営における時間軸の意識は必要ありません。
ベンチャー起業は短期間で一定規模の企業体になるまで成長させる必要があるので、事前に何が起こるかわかっている必要があります。それが見えるまでは無理にベンチャー起業をする必要はなく、行っても成功確率は低いでしょう。

ベンチャー起業として、起業から上場にいたるまで何が起こるのかイメージできるまでは、目の前の仕事を行いながら情報収集をしたり、自分で考えたりすることに時間を使ってほしいと思います。

openpageメンバー向けメッセージ①

上場経営者の企業組織から逆算する

VCに期待される上場企業のイメージは、時価総額300〜500億円程度になるでしょう。時価総額をPSR:15倍と考えると、売上20〜30億円程度は最低ほしいところです。VCの中には、売上100億円以上のビックピクチャを求められていることもあるでしょう。
この上場時に必要な売上規模に対して、単一事業でいくのか、複数事業でいくのか。どのようなマネタイズモデルでいくか。日本と海外の売上比率は。などが考えられている必要があります。
また組織としては、上場企業としてのガバナンス体制が必要とされるので、ベンチャー経営を目指すにあたっても内部統制の仕組みに精通しておく必要があるでしょう。
かつ、売上20〜30億円の規模だと、従業員数は100〜300名程度になります。中身の職能としては、営業、マーケ、開発、CS、広報、採用、労務、税務、財務、法務など一通りの機能が揃っていて、営業や開発は階層型の組織になっているはずです。
ベンチャー経営者は、上場時はこれらのトップになるため、全職能の理解と、各メンバーをマネジメントする術を持っていなければなりません。
また売上20億円〜30億円に対して、例えばコストの内訳は広告宣伝費、人件費、採用費、オフィス費、ITシステム費などが挙げられます。上場する際には、売上と利益の予算を立てて、精度高く着地させる必要があるため、企業の経営数値の内訳についても把握していなければなりません。

これら全ての知見を得ようと思うと、最低でも10年はかかるのではないでしょうか。なので、ベンチャー起業に無理に焦ることなく、コツコツと知識獲得に励み続けることを勧めます。これらを学ぶ努力をし、ある程度自分の仕事に自信がついたら、そこではじめて将来立てるべき売上に対してどのような事業を作るべきかを考えるというフェーズになります。

openpageメンバー向けメッセージ②

VCが興味を持つマーケットを選定する

ベンチャー起業は、売上20〜30億円を立てるために何十億円も資金調達しながら進めるモデルになります。これには、ベンチャーキャピタルの投資の意思決定をもらえる事業である必要があります。
ベンチャーキャピタリストは、有望な事業や経営者を探し、いい企業があれば社内に持ち帰って投資判断の意思決定を合議制で行っています。「この領域なら十分な売上を急スピードで立てられるだろう、この人なら上場まで勢いよく経営できるだろう」という判断の根拠が交渉の際に必要となります。
一番重要(というより最低条件)なのはマーケットです。どんなに優秀な人でも、事業売上として5億円しかあげられない市場なら、VCは首を縦にふらないでしょう。
将来的に数百億円も売上が立てられそうで、ユニコーン(時価総額1,000億円以上の)企業になりそうだ、と思われせる根拠や論理、事実が必要なのです。
かつ、自身でビジネスを始める特定の領域に関しては誰よりも詳しくならなければなりません。例えば、市場規模、顧客の数、想定される販売単価、顧客の課題、顧客の業務内容、その領域の歴史や未来、必要なテクノロジーなど無限に語れるよう準備します。
はっきり言ってベンチャーキャピタリストは賢いです。東大卒もウヨウヨいて、外資系の金融機関やコンサル企業出身者がほとんどです。中途半端な知見はすぐ跳ね返されるでしょう。
このようなエリート達が相手でも、「この起業家は私たちよりその領域に詳しく、かつこの領域だったらとてつもない市場規模があり、この人ならできる」と思ってもらう必要があります。

上記の通り、ベンチャービジネスを行うなら、VCの投資判断ロジックに詳しくなる必要があります。VCがどのようは判断軸で企業や経営者を選んでるかは感度高く情報収集しておくといいでしょう。
また、自身が取り組みたい事業については、VCも気付けないような、圧倒的な専門性、オタク力が必要です。

openpageメンバー向けメッセージ③

経営者として個人の能力を高める

これまでの話から伝えたいのは、ベンチャー企業を志すなら、とにかく個人として抜群に能力が高くなければならないということです。
会社組織の職業すべてに精通していて、企業の経営数値も理解しており、特定の領域に関してエリートも唸るほどの専門家・・・これは一朝一夕でできるものではないです。
仕事をする、学ぶ、優秀な人と働く、考える・・・をとにかく謙虚に続けなければなりません。学ぶことがとにかく多いため、おごってはいけないです。謙虚な姿勢を失うと学ぶことをしなくなるからです。

仕事の能力を高め、ある職域でプロになっても、隣の領域に移ると全然素人だったりしてビックリすることもあります。自分の領域の専門家を目指すのはもちろん、他の領域のプロフェッショナルとも仕事をすることで、常に学習するようにしたほうがいいでしょう。

openpageメンバー向けメッセージ④

先々を見据えながら経営チームを作る

個人として10年は頑張った、仕事には絶対的な自信がある、自分ならビジネスを始めても成功する、そう思ったら、事業領域を絶対に成功させるためのチームメンバーを集めないといけません。
例えば、開発、デザイン、マーケティング、セールス、財務などでトップクラスの人材を固める必要があります。
有名企業出身者だから良いというわけでもありません。その有名企業から剥がされたときに、仕事で活躍できなかった人をたくさん見てきました。
ただ、それでもやはり有名企業での業務経験をしていた人のほうが優秀な比率は高いです。できれば自身のキャリアの中にも有名企業での業務経験があったほうが望ましいです。
初期に関わるメンバーは、交代はあるかもしれないけれど、基本的には今後その職域のトップに立つようなメンバーになります。最低でも5〜15人はマネジメントできる器じゃなければ厳しいでしょう。
事業によってどこを強化するベンチャーにしていくべきかは異なります。AIなら機械学習エンジニアが多い会社になりますし、ファッションECならデザイナーが強くなるでしょう。
経営チームは根拠を持ったメンバー選定をするべきです。なんとなく仲が良い、は辞めたほうがいいです。企業経営の成功確率を最も高めてくれる人は誰か?の目線で選ぶべきです。
人脈作りには励まなくてもいいです。それより自己投資が優先です。自分がしょぼければそれなりの人としかつるめないからです。

どんな人がチームにいると強い会社が作れるか妄想しておくといいでしょう。そのためには各職種の理解が必要で、職種ごとのトレンドや技術について常日頃キャッチアップしていたほうがリクルーティングに強くなります。

openpageメンバー向けメッセージ⑤

顧客学習のためのMVPを作る

個人としてピカピカに能力を磨いた、VCが興味を持つ領域で圧倒的な知見を持っている、最強のチームも仲間に出来た。その次はMVPを作ります。
MVPとは最低限動く製品のイメージで、例えば「製品資料+最低限の機能だけ持ったシステム」がMVPです。
どんなに事業領域の専門性を磨いても、どんな製品が顧客に深く刺さるのか、何が本当に求められているかは直接対話しないと判断ができません。
ですので、顧客から学習することを目的としたMVPを作るのです。
この初めに作る製品の機能は、絞れば絞るほどいいでしょう。絞るということは顧客にとって重要なものは何かを本気で向き合うということです。
このMVP開発にはデザイナーが重要です。デザインがあれば、システムを組まなくてもいくらでもイメージを見せられるからです。
いきなり作る判断をせずに、こんなものを作ったら役に立ちそうか?をデザインベースで見せたほうが初期はいいです。なぜなら、開発は不可逆なので、やたらめったら開発したら大して顧客が求められない機能を開発したときに、後から大きく痛手になるからです。「機能を作らないためにMVPを作る」という発想を持つといいでしょう。

このMVPの考えには、実はセールスの要素も重要です。セールスとしてどんな話を強調すれば反応するか、使いたいと思うかを確かめる作業に似ているからです。製品を作る作らないという製品開発の話もありますが、販売可能なトークを確かめていくセールスの領域でもあると思っています。openpageでは常にどの機能が必要か、どんなトークが顧客に反応されるかを学習中でして、メンバーの皆さんにもどのような機能やトークが最も反応がいいかを模索して、教えてほしいです。

openpageメンバー向けメッセージ⑥

スタートアップ経営のマイルストーンに沿う

能力を持ったトップ、有望な事業領域、最高のチーム、MVPとが揃っていて、初めてスタートアップのエントリーに立てます。ベンチャー経営は大枠のマイルストーンがあります。各マイルストーンに合わせて、資金調達をしながら次のステップに進めていきます。(私がずっと参考にしているのは下記の記事です)

ベンチャー企業の一番最初のハードルは、会社を辞めることでしょう。ずばり給料が入らなくなります。ですので、十分な貯金をするか、起業をしつつ副業をするといった金策に走らなければなりません。

またその次のハードルは、外部から資金調達をすることです。
はじめての資金調達には、「銀行、エンジェル、補助金、シードVC」の選択肢があります。
私も色々な調達を試しましたが、初期の資金調達は銀行が一番ハードルが低いと感じました。これまで述べたような準備をしていて、かつ100〜150万円の貯金さえあれば、事業計画と面談でだいたいは通ると思っています。
「自己資金150万円程度」が融資が通るかの判断バーになっており、貯金が重要です。
創業融資がいければ、エンジェルに声をかけてもいいでしょう。しかし、エンジェルといっても、私はエンジェルですと名乗ってる人はそんなにいないと思います。エンジェルのペルソナは、年収1.000万~は超えており、100万円〜500万程度であれば応援資金として出せるよ、という余裕のある人です。お願い度合いとしては、生涯に一度のお願いで「親戚に車を買ってもらう」くらいの感覚に金銭感覚は近いかもしれません。ただ親戚ではなく他人というハードルの高さがあります。懇意にして頂いてる方に丁寧にご依頼して、不安を与えないように進める必要があるでしょう。
補助金は起業初期でも良い選択肢で、ものづくり補助金では製品開発のエンジニア費用の2/3の金額が補助になるため、狙いたい調達手段です。しかし、書類負担はかなり大きく、中小企業診断士や税理士などのサポートがなければ無理だと感じました。また補助金は支払いが先に出ていくため、ある程度の金銭的な余裕があって活用できるものです。
シードVCは上記の資金調達手段に頼れなかったときの最後の手段となるでしょう。私は、PMFする前の事業検討段階では、なるべく調達しないで頑張ったほうがいいと思ってます。シードファイナンスはバリュエーションが低く、放出に対して調達額が小さいです。少しむずかしいですが、J-KISSのようなバリュエーションを固めない手法も検討しながら考えましょう。

この説明の通り、銀行融資や補助金など、中小企業の資金繰りの手段について学んでおく必要があります。またいずれにせよ一定金額の貯金が必須です。ここが初めの起業ハードルになるでしょう。

openpageメンバー向けメッセージ⑦

ベンチャーキャピタルから資金調達後の企業経営

創業融資が受けられ、MVPがあるのなら、VC等が開催するアクセラレータに参加するのがいいです。アクセラの最後にはVC向けピッチがあるのですが、そのピッチによって資金調達が決まれば、ベンチャー経営として取れる業務の選択肢が広がります。
なお、VCから資金調達をすると、毎月、手持ちの現金状況とバーンレート、ランウェイをVCに報告することになります。

ベンチャービジネスは、基本は赤字で、調達した資金を燃焼しながら事業を作っていく冷や汗もののプロジェクトです。なのでランウェイの把握がかなり重要になります。
どこで資金が尽きるのか、どのタイミングでいくらの資金調達をすればいいのか、事業計画や資本政策表を使って管理する必要があります。
これには、強い財務担当が仲間にいることが重要です。
強い事業を作る、投資家に魅力あるプレゼンをする、調達した資金を使ってさらに強い事業を作るの繰り返しになるのですが、財務担当が強ければ、どのようなマーケットでどんな戦略で魅力ある事業を作っていくかの道筋が見えやすくなります。
もちろん、どうすれば資金調達できるのか、どうすれば強い事業を作れるのか、この答えはありません。これは自身で考えながら前進あるのみ、私も頑張っていきたいと思います。

ここまでいけば経営者の脳になってるはずです。

openpageメンバー向けメッセージ⑧

ベンチャー起業は始まりまでが長く、始まってからも長いです。
openpageのメンバーの皆さんは、ぜひ長きにわたるベンチャー立ち上げプロジェクトの過程で、様々な仕事をご一緒して、ともに成長できたら嬉しいです。

おわりに

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藤島 誓也 | LTVを高めるカスタマーサクセスクラウド「openpage(オープンページ)」代表
カスタマーサクセス事業を経営しながらnoteにて情報発信。 大型イベントCSPROUDにて国内最多1,000名のCSMを集客。 企業メッセージ「その仕事は、世界をもっとopenにする」 Twitter: https://twitter.com/seiya_fujishima