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SFA/CRM解体全書。営業DXの基盤となるSFAの導入メリット・失敗すべてを伝えます。

先日、私が運営するYou Tubeチャンネル「カスタマーサクセスTV」のゲストにセールスのタクミさんに来ていただき、SFA/CRMについてディスカッションをしました。私も改めて、SFA/CRMに関しては様々な文献を読み直したり、営業や企画のトップ層の方のヒアリングから理解を深めました。営業DXの取り組みが盛んですが、その土台にあるのはSFA/CRMです。
この記事では、SFA/CRMの導入するメリットはそもそも何なのか。なぜ導入は失敗するのか。成功するためにはどうしたらいいのか。を徹底解説するものです。

①SFA/CRMのメリットとは?(営業現場の視点)

営業活動の自動化・フォローアップ

営業活動のフォローアップ

SFA/CRMには、入力された情報をもとに、営業担当に対してフォローアップやアラートを上げる機能が実装されています。
例えば、商談7日以内にメールのやり取りをしていない場合、フォローするべきですよと営業担当にアラートを出すようなものです。
昨今のSFA/CRMは、メールや電話ツールの統合に加え、カレンダーや日程調整ツールなども統合して管理ができるようになってきています。SFA/CRMの情報として、メールや電話、商談の履歴が日時ベースで載るのです。
営業活動とは顧客との細かなコミュニケーション活動になりますが、営業担当は同時に数十社の企業を相手にしており、なおかつそれぞれの企業との商談状況は異なるため、各社の状況に応じて細かな連絡や案内をする必要があります。
これを人の頭だけで行うと、本当はこの会社にはもっと早く連絡するべきだったし、気をつけていれば出来たのに、連絡が抜けてしまったということが発生します。
この連絡や商談の機会ロスを防ぐための営業フォローアップをシステムで自動化する、という観点でSFA/CRMは有効です。

販売プロセス(≒顧客の検討プロセス)の把握

顧客の状況を理解

法人顧客は、何か新しい取り組みを始める際に、「課題認知→対応策検討→ベンダー調査→各社商談→見積もり確認→社内検討→関係者説得→最終決定」と段階的にプロセスを踏みます。
いまあげたステップは8ステップありますが、仮に50社同時にやり取りしていた場合、合計400パターンが発生してしまい、各社がどういう状況なのか管理しきれなくなります。
この顧客の検討状況をSFA/CRMに入力をして、この顧客は販売プロセスのうちどのフェーズにいるかを判断できるようにすることで、適切な行動がわかるようになります。
法人顧客の意思決定プロセスは複雑で、一定の時間がかかります。これを営業側でも管理しながら話を進めたほうが食い違いがなくなります。
また、「課題認知→対応策検討→ベンダー調査→各社商談→見積もり確認→社内検討→関係者説得→最終決定」というステップを明確にSFA/CRMにて管理していれば、あるステップから次のステップに顧客の状況を移行するうえでこのような案内やヒアリングをし、こんな許諾や共感が必要になる、といったノウハウの整備ができます。

顧客への1to1アプローチで提案力を高める

1to1のアプローチで提案力を高める

前述した販売プロセスの状況に加え、これまでの商談の経緯、過去の契約状況、顧客社内の担当者状況などをSFA/CRMにて管理ができていれば、これに応じた1to1のアプローチを行うことで提案力を高めることができます。
温度感が高いのか低いのか、過去に契約しているのか、どの担当が問い合わせをしたのかなどがわかっていれば、それに合わせてトークを組み立てることが出来るので、顧客側からしても社内の調整がしやすくなります。

営業アプローチ先の最適化

顧客の状況に合わせた優先度付け

法人企業においては、すべての企業か営業歓迎モードではありません。
例えば、営業DX製品があったときに、ちょうど営業DXを検討している顧客もいれば、そもそも認知をしていない顧客もいます。認知はしているものの課題に感じていない、投資意欲はあって情報収集もしていたが上司に反対されて辞めてしまった。など、様々なパターンがあるでしょう。
SFA/CRMというよりはMAの機能かもしれませんが、例えばサイトの事例や配信メルマガを頻繁に読んでいて、製品資料問い合わせを複数人がしている、といった状態の顧客であれば、この領域に投資しようという意欲は高いはずです。営業担当としては、このような具体的な投資に向けて情報収集意欲を強めている顧客こそ優先度を高めるべきです。
営業部門のツールの導入状況によって、取れるデータ、取れないデータがあるとは思いますが、営業アプローチの優先度がわかるようなデータを取得し、SFA/CRMに格納していれば、それをリスト化して優先的に連絡することが可能です。誰に電話をするか、商談を依頼するかを戦略性を持って取り組むことで商談化や受注の確率を高めることができます。

営業ルート最適化

画像はGPS機能に強いUPWARDの管理画面

SFA/CRM製品によっては未実装の機能かもしれませんが、GPS機能を活用して、マップ(地図)で最適なルートを計算するようなものもあります。
訪問営業が多い営業組織であれば、SFA/CRMに入力された位置情報をもとに、今日1日の営業訪問ルートを定められると営業業務が効率化され、営業商談の数を増やすことにもつなげることが出来ます。

②SFA/CRMのメリットとは?(営業管理者、営業マネージャーの視点)

営業活動全体のレポートと分析

SFAで可視化出来る営業データ例

販売プロセスごとの状況や、営業担当ごと、顧客属性ごと(業界や規模)で、売上、取引社数、販売単価、商談数、商談リードタイム、メール連絡数などを可視化することができます。
このレポートを見て、目標に対してどれだけ乖離があるのか。一般的な平均値と比べて高いか低いか。トップパフォーマーとローパフォーマーの状況はどうか。どの業界への営業が好調か。など営業活動全体のレポートや分析が出来るようになります。

上司によるリアルタイムフォローアップ

上長によるフィードバック

アポ、商談、受注、単価、リードタイムなどの数値を見ながら、この案件はこう提案するといい。この数値はもっと改善できるのでこんな工夫をしてみてはどうか?と、営業マネージャーから営業担当へフォローアップが出来るようになります。

トッププレイヤーの業務型化

営業スターに合わせて業務を型化する

営業部長や営業企画の立場としては、できる限りトッププレイヤーのやり方を営業組織全体で啓蒙したいはずです。SFA/CRMのデータを見て、トッププレイヤーの提案量やリードタイムを分析し、どのような取り組みを行っているか直接ヒアリングも行い、言語化≒ノウハウ化を行うことで、営業組織のナレッジ強化や型化に繋げられます。

③SFA/CRMの失敗理由とは?

これまで述べたようなSFA/CRMのメリットがある一方、導入が失敗してしまった、運用が形骸化している、入力がかえって負担になってしまっているという声も多くあります。

なぜSFA/CRMを導入したかの目的が欠如

本記事で解説した、営業活動の自動化、提案の最適化、育成やマネジメントでの活用、レポートと分析といった用途を強く意識せず、目的がない状態で運用が形骸化しているケースです。

営業現場でのデータ入力・更新が非現実的

項目が多すぎる、そもそも使いにくいので入力しにくい、入力しても何も起きていない、入力しなくても何も言われないといった状態が続いてしまうと、ただSFA/CRM入力に無駄な時間が取られるだけになり、失敗します。
顧客側からすれば、相手の営業担当のSFA/CRM入力をしているかどうかは知らない話なので、結局、双方で何もメリットを感じられずただ入力作業だけ続いている。これは営業活動にとってマイナスになってしまいます。

営業トレーニング、上長によるサポートの欠如

SFA/CRMの活用の基本のキは、データを活用して営業活動に活かすことです。しかし、そのデータ活用のための営業トレーニングがそもそもされていない、上長も特に何もフィードバックをしない場合、営業担当の活動は何も改善されることはありません。

④SFA/CRM失敗が起こってしまう、そもそも論

もう少し深ぼってみて、じゃあ何故このようなSFA/CRMの導入失敗が発生しまうか、ケースや理由を考えました。

そこまで高度な提案が求められていない、提案を改善しても単価や受注率、リードタイム等が上がらない

法人の検討プロセスや、企業規模/業界、課題などに合わせて提案するための、顧客情報の箱としてSFA/CRMは活用するのですが、そもそもそこまで高度な提案が求められてない営業の場合は、必要ないです。また、営業データを活用した結果、単価・受注率・リードタイムといった法人営業における業績数値がまったく改善されない事業や製品だった場合も、データ管理がそもそも必要なくなります。

業務量や商談数が多すぎて提案のカスタマイズに使える余裕がない

SFA/CRMを活用して顧客に1to1のカスタマイズ・パーソナライズされた提案をしたほうがいいとわかっていても、営業現場で必要とされる業務量や、商談数などが多すぎる場合、1社1社に提案の手間をかける時間がなくなってしまいます。

SFA/CRMのデータから提案力を高めるための教育ノウハウが自社にはない

SFA/CRMに溜まったデータを生かして営業活動を改善することに価値があるのですが、そもそもどう改善すればいいかわからない、何を教育すればいいかわからない、データを活用して営業活動が変わるイメージがわかない、といった状態の場合は、いくらデータがあっても何も起きません。

全営業メンバーが平均的で見習うようなトッププレイヤーがいない

上記に関連して、例えば明らかなトッププレイヤーが社内にいる場合は、その営業担当にどのような営業活動の工夫をしているのかヒアリングすれば、営業組織に啓蒙したくなるような営業ノウハウをためることが出来ます。
しかし、そのような営業のトッププレイヤー不在で、営業組織全体に特に見習いたいような人がいない場合、吸収できる営業ノウハウが社内になく、教えられることもなくなります。

データを入れてもフィードバックする機会が組織的にない

SFA/CRMにデータを入力し、顧客の検討プロセスに合わせてフェーズを管理するような仕組みを入れたとしても、SFA/CRMの掲載状況に応じて営業メンバーにフィードバックをする会議体や打ち合わせの仕組みがない、あっても効果的なノウハウをフィードバックできない、目標未達への叱責になっているだけ、といった場合は、意味を成さなくなります。

レポートを見ても平均値の感覚がないのでわからない

SFA/CRMのレポートを営業責任者や営業マネージャーが見たときに、そもそもの平均値や参照できる数値感がない場合、この情報がいいのか悪いのか判断がしにくくなります。

⑤SFA/CRM導入を失敗しない成功のコツとは?

これまでの説明を振り返ったときに、ではどうすればSFA/CRMの導入が失敗しないか、成功するかについてまとめます。

単価、受注率、リードタイムの改善を狙いにいく

SFA/CRMは営業力強化による営業業績のアップのため導入をしているはずです。そのため、SFA/CRMを導入し、単価・受注率・リードタイムいずれかを高めるという目標を持ち、この目標に集中することで意味をなします。より高単価で、より高い受注率で、より早いリードタイムで法人営業が成功するのであれば、SFA/CRMの投資コストに対して、売上アップと営業コストの削減が実現できます。つまり導入によるROIが出る状態になりますので、これをまずは目指すことです。

SFA/CRMではなく営業の業務自動化ツールから入れることも有効

そもそも、営業の業務負荷が大きく、顧客に対する提案の質に向き合えないような状態ではSFA/CRMの導入はうまくいきません。その場合、必要なのはSFA/CRMではなく、営業業務を自動化する他のセールステック製品の導入です。そしてそのツールは、営業業務を自動化するもので、手動業務を減らすものである必要があります。

SFA/CRM導入だけでなく営業教育ノウハウもセットで揃える

SFA/CRMはツール自体は「通信簿」や「健康診断」のようなもので、これを眺めるだけでは営業の生産性は高まりません。SFA/CRMを見て、営業の活動内容を改善することがセットで必要となります。そして、改善を行うためには教育やナレッジシェアをしなければなりません。
例えば、単価・受注率・リードタイムといった結果指標や、営業のプロセスごと、リードソースごと、業界ごと、企業規模こと、顧客ニーズごとなどの商談を想定したときに、どうすれば商談がうまく進みやすくするのかをノウハウ化します。

トッププレイヤーのやり方を積極的にインストール

営業のノウハウ化に関しては、会社内で最もパフォーマンスがいい、優れた営業マンからインストールする方法が望ましいです。
トッププレイヤーが商談でどのような工夫をしているのか、どんなことを意識して、日々どう行動しているのか、顧客への連絡や提案は何を行っていて、どんなスケジュールで活動していて…などどヒアリングします。
そして社内のナレッジマネジメントツールなどに整理し、営業マンが必要に応じて確認できる体制が揃うことで、営業活動の生産性が上がります。

ポジティブフィードバックの機会を多く作る(1on1や定例会)

営業活動のノウハウは、業績の優れている営業マネージャーが、1on1や定例会で建設的にフィードバックすることが重要です。
営業結果の改善は、営業プロセスや営業アプローチの修正によってもたらされますので、定期的なコミュニケーションでポジティブにメンバー提案することが成果を高めます。

ベースとなる平均値・基準値を設定する

これはセールスのタクミさんがおっしゃっていたのですが、定性的なノウハウは一定感覚的なものになるけれども、定量的なものは再現性が高いので、営業ノウハウとしても平均値や基準値といった定量的なものも揃えると望ましいです。アポ率、受注率、単価、リードタイムといったものや、営業行動に関するもの、例えば商談3日以内に必ず1本メールする、といったような内容です。キーエンスは1訪問あたり5商談とルールを定めたりしていますが、この定量ルールを守れる範囲で適切に定めることで、営業のレベルアップを図ることが出来ます。

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私が経営するSaaSベンチャー企業openpageにて、事業開発を進めるにあたってのカジュアル面談を行っています。また採用としては営業/マーケ/CS/エンジニアなど全職種を積極採用中です。弊社自身も自社のSaaS成長戦略を日々考えており、ぜひディスカッション出来ると嬉しいです。

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