
CSopsとは何か?海外企業から学ぶ取り組み内容
カスタマーサクセス組織が成熟し始めているSaaS企業の中で、「CSOps」ポジションを採用する企業を少しずつ目にするようになりました。
しかし、まだまだCSOpsを経験しましたという方は国内には少なく、初めてのチャレンジとして四苦八苦している方が多い様子でした。
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CS Opsとは何か?①Opsの定義から考える
そこでこの記事では、海外でBOXやUBERといった有名企業でOpsに携わったAmy Liuさんのブログを参考にしながら、CSOpsとは何か?を紐解いていきたいと思います。
まずAmy Liuさんを簡単にご紹介すると、彼女は元々は米国のサンフランシスコにてセールス側のOpsのポジションで仕事をしていたのですが、ヨーロッパへの転勤をした際に、ヨーロッパの経営者のほとんどがOpsの業務内容やメリットについて理解されていないことに気づきました。
この状況は日本企業でOpsが何か理解されていない状況に似通っていますね。Amy LiuさんはWikipediaを引用し、Opsとは何かをこう定義しています。
The term “Sales Operations” is not only referring to a function but to a company wide “set of business activities and processes that help a sales organization run effectively, efficiently and in support of business strategies and objectives.
「セールスオペレーション」という言葉は、単に機能を指すだけでなく、全社的な「セールス組織が効果的、効率的に運営され、ビジネス戦略と目標をサポートするための一連のビジネス活動とプロセス」を意味しています。
CS Opsとは何か?②カスタマーサクセスにおけるOps(CSOps)の役割
これはカスタマーサクセスにおいても同じことで、CSOpsとは「カスタマーサクセス組織が効果的、効率的に運営され、ビジネス戦略と目標をサポートするための一連のビジネス活動とプロセス」とも言えるでしょう。
またOpsの役割については下記のように述べています。
Opsチームの主な目的は、フロントラインのメンバーがより効率的に販売できるようにすることです。例えば・・・
i) 戦略的な指示を与えること
ii) 最適な営業技術スタックを導入すること
iii) セールスプロセスをよりスムーズにするための反復作業
Opsチームは、現場のチームが収益を生み出す活動に完全に集中できるようになれば、成功したと言えるでしょう。その結果、お客様により良い初期体験を提供し、会社の収益目標をより早く達成することができるのです。
つまりOps業務とは、カスタマーサクセスに置き換えるとハイタッチのチームが活動に集中できるようなサポートや技術導入です。またこの業務は具体的に何をするのかも整理されています。
CS Opsとは何か?③CS Ops業務の具体例
※記事内の解説がセールスOpsのものだったので、カスタマーサクセスOpsとして一部表現を修正して私のほうで整理してみました。
①Strategy, Planning & Analytics(戦略、プランニング、分析)
・カスタマーサクセスプロセスの最適化
・カスタマーサクセスの手法とベストプラクティスの特定
・カスタマーサクセス指標の分析
・売上予測とパイプライン分析
・カスタマーサクセス目標とノルマの設定
・カスタマーサクセスの報酬プランの設計
・テリトリーの割り当てとカスタマーサクセス育成計画…
②Operations & Enablement(オペレーション&イネーブルメント)
・事業や製品の変更点におけるカスタマーサクセスチームへの伝達
・カスタマーサクセスチームへのトレーニングや販売促進資料の提供
・他部署と協力して、カスタマーサクセス部署と他部署との間のフィードバック体制の構築(例:営業チームからカスタマーサクセスへの引き継ぎプロセスへのフィードバックなど)
・戦略的な取引のための割引承認プロセスの実施
・見積や契約プロセスの管理
・月末締め、四半期末締め、年度末締めのパフォーマンス測定
・クレームなど取引のリスク対応
③Sales Systems & Tools (Technology)(システムとツール)
・カスタマーサクセスのツールベンダー選定
・顧客データを管理するためのCRMの導入・統合・改善
・導入ツールのトレーニングや文書化、継続的な改善
・カスタマーサクセスチームへのツール活用教育
CS Opsとは何か?④CS Opsの取り組み例(SmartHR)
カスタマーサクセス組織が拡大するうえで、カスタマーサクセスの業務プロセス・業績管理・割引や契約・部内への告知・ツール導入など例外的な業務が膨らんできます。これらを外だしして専門チーム/専門人材で担うのがCSOpsのイメージです。
例えば上記のSmartHRの記事では、ドキュメントツール「Quip」の導入について語られています。CSOpsとして、SalesforceやSlackとの連携やテンプレートの作成、更新管理などカスタマーサクセスの業務生産性を高めるため、ツールの導入や社内告知を担っている具体イメージが湧いてきますね。
QuipはSalesforce米国のカスタマーサクセスでも活用されており、成熟したカスタマーサクセスの組織には生産性を高める専門部隊が在籍しているのだと背中から学ぶことができます。(参照記事)
CS Opsとは何か?⑤CS Opsを採用するタイミング
Amy Liuさんは、チーム内に3人以上の担当者がいて、今後も急速に増員する予定がある場合は、専任のOps担当を副業やパートタイムでも構わないので採用する時期だと述べています。
私がopenpage製品でカスタマーサクセス組織を支援している所感としては、5~6名程度になった際に、何かしらのOps的なものやテックタッチ的な取り組みを検討し出しているように感じます。
なお、英語ではありますが、ブログの中ではOps人材を採用する際の求人票のサンプルも、自由に活用できるものとして掲載していますのでご参考ください。
おわり
お読みいただきありがとうございました。
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藤島 誓也:Twitterアカウント
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