
上場SaaS企業のIRから学ぶカスタマーサクセスのトレンド(one capital様の記事より分析)
こちらも神記事で、onecapitalの三好さんがSaaS各社のIRを分析して、トレンドをまとめられた記事を公開しました。
弊社openpageはカスタマーサクセスが強みなので、三好さんの分析から、SaaS上場企業のIRからカスタマーサクセス業務への影響はどうなるか、という観点で読んでいました。
そこで、私の考えを整理したメモをnoteに共有します。
チャットワーク社のカスタマーサクセスのため業務を代行する動き
ChatworkのBPaaS(Business Process as a Service)のコンセプトが面白い。Tech+人によるオペレーションで本質的なDXを実現する、というもの。つまりTechツールを触るところまで代行するカスタマーサクセスです。
マジックモーメント社も、カスタマーサクセスBPO(手を動かすところまでカスタマーサクセスが担う)が大手企業にウケているようでした。

SaaSの運用をすべて顧客に自走してもらうのではなく、一定の業務はBPOで代行して受け持ってしまう、というのも勝ち筋の一つでしょう。
IR資料にて、キャズムを超えたマジョリティ顧客はSaaSのツールをうまく使い分けられない顧客も増えてくると説明されています。
チャットワークはPLG戦略が基本でしたが、アウトソーシングサービスもうまく取り混ぜながら、マジョリティ層を開拓していく、という動きは注目したいです。
Appierから学ぶSaaSの製品ポートフォリオ戦略
Appier Groupのユニットエコノミクスの高さはone capitalの方々のSNSで、以前からすごい!というのは聞いていました。
いわゆる、マルチプロダクトによるアップセル、クロスセル戦略が効いているようです。

もともとAppier自体が、大手ECなどにファーストパーティーデータを使ってクッキーを使わずLTVを上げられる、という製品を扱っています。LTV戦略はお手のものなのでしょう。
広告配信、広告運用、CV最適化、レコメンドシステム、チャット、AI予測、CDPといったデジタルマーケティングソリューションを被りのない粒度で製品設計をし、一度獲得した顧客に上手くクロスセルしています。

どの製品から入ってもクロスセルしやすい製品ポートフォリオになっているので、セールスマーケティングコスト、つまりCACが下げやすい。そしてLTVが上げやすいのです。
SaaS企業の製品ポートフォリオ戦略のお手本のような会社です。
インフレに対策するため製品単価アップ。解約されないカスタマーサクセスが重要
ドル高が海外製のサーバー費用高騰につながり、利益率を低下させているようです。
プレイドはシステムの開発基盤見直しなどで工夫をし、サーバーコストを下げてます。また為替ヘッジのような為替変動リスクを抑える動きをファイナンスの担当が行っています。
また、インフレ対策で価格改定をして、値上げによって成長率を担保するスマレジやヌーラボのような企業もあります。製品サービスを磨き込み、値上がりが起きても解約されないようなカスタマーサクセスを整備する、ということを行っていたのだと推測できます。この値上がりはあらゆる分野でラッシュが続いています。
製品単価アップをカスタマーサクセスが支えて顧客維持、ということも2023年はトレンドとして多く発生しそうです。
SaaS企業のマルチプロダクト戦略に伴う従業員育成や顧客データ整備が課題に
・freeeがインボイス制度対応のためsweepを買収する
・マネーフォワードが買収したスマートキャンプのIPOを目指す
・プラスアルファコンサルティングがセールステック領域の新規事業を立ち上げる
・HENNGEが新たなセキュリティサービスを提供する
このような、M&Aや新規事業立ち上げによって既存の顧客基盤を活かす形で、CACを下げてLTVを上げる、ということがSaaS企業の経営戦略になっていきそうです。

カスタマーサクセスの観点だと、企業文化や事業領域が若干異なる事業間のPMIを目先行いつつ、クロスセルのためのポストセールスをどのように設計していくかが肝になるでしょう。
また製品が複数にまたがるため、それらを提案出来るようにするための教育マネジメントの負担がカスタマーサクセスの責任者にはのしかかってきます。

eラーニングやナレッジマネジメントによる製品知識の育成の自動化、SFAやヘルススコア含むデータ整備によるクロスセルのタイミングキャッチの仕組み作りなどが新たなチャレンジになるでしょう。
体制としては、 CSopsチームの中のイネーブルメント機能を強化する、という着地になります。
おわりに
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