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2023年のセールステック・営業DXの米国最新トレンドと、日本企業との大きな乖離

今年はAI×セールステックの年になる

・まず前提として、米国のセールステック企業はもはや1,000以上はある。次々に新しい製品が出ている状況だ。
・今年は生成型のAI、Chat-GPTの驚きは大きい。セールステック文脈では、メールやセールスコールでの活用に期待される。レスポンスが早くなれば商談途中にサジェストするような未来もあり得るかもしれない。
・セールスに関連するAIは、商談の文字起こし、議事録作成の自動化、WEB商談分析などのAI活用も引き続き期待。利用者が増えるほど、分析精度が上がったり、取得できるデータが増えていくからだ。
・注目したいセールスイネーブルメント、セールスアクセラレーションの製品はGong、Outreach、Salesloftといった米国トップ製品。いわゆる商談の音声解析やセールスのplaybookの領域で、別の記事で書いた日本のセールステックの成長も期待できる。

セールステックのスタートアップも続々と生まれる

・米国だとLinkedinを顧客ソースにしながら、見込みリストを作ってパーソナライズな営業メールを送れるようなスタートアップも現れ出してる。
・おそらく、GoogleのGmailに組み込んでChat-GPTで営業メールを作るようなスタートアップが出てくるのも容易に想像ができる。
・米国のアクセラレーションプログラムやシード投資においてもChat-GPTを活用したセールステック企業が登場し始めている。
・また、セールスAI分野はM&Aも積極的だ。例えばZoomInfoがChorus.aiを買収するなど、営業コミュニケーションでAIを活用していく分野は熱を帯びている。
・新興企業が成長し、ユニコーン企業に買収されることで、全く新しいセールステクノロジー企業が生まれてくるはずだ。

営業デモがデジタル化・高度化する

・SaaSはバリュエーションが下がっているものの、まだまだベンダー数や利用者数は増えていくはずだ。
・日本よりSaaSの市場規模が大きい米国では、SaaS企業PLGトレンドの影響もあって、バーチャルで製品デモや製品ツアーをするようなツールが流行った。
・デモというと営業が直接会話して説明するようなイメージがあるが、デジタルのデモ環境を構築して、一方的ではなくインタラクティブにコミュニケーションをしたり、データ取得をするようななデモが盛んになってきてる。製品名で言えばWalnutのようなサービスだ。
・顧客に合わせたパーソナライズされたデモができる。つまり、デモの中にメッセージを吹き込んだりする。そして企業のアクセスから企業規模や業界などを推測してパーソナライズする。デモはデジタルなので、顧客が実際にどう触ってるかをログで取って、その情報を営業に知らせる
・ミレニアル世代を中心に、営業の話を聞く前に自分で情報収集して意思決定を進めたいというバイヤーが増えている。米国ではもうすでに BtoBのバイヤーの半数はミレニアル世代と呼ばれている。
・今後の将来を考えれば、どんどんと営業やカスタマーサクセス活動はセルフサービス型が好まれていくはずだ。

ミレニアル世代の増加によりセルフサービス型の BtoB購買トレンドへ

・デモ以外にも、製品レビューなどセルフサービスで購買するBtoBのトレンドは加速している。
・特に新型コロナウィルスの影響で、さらに営業と対面しない形での購買意欲が上向いた。
・これに伴って、バイヤーエクスペリエンス、バイヤージャーニー、バイヤーイネーブルメントといった購買側を主語にしたセールスのワードが目立つようになった。
・私も以前、MarkeZine Dayに登壇したときにデータを見せて解説したが、ミレニアル世代になるほどベンダーの営業よりデモやレビューを見て購買する顧客が増えている。
・この傾向は米国で加速しているらしく、営業提案で購買を決める顧客の比率はどんどん下がっているらしい。
・その代わり、G2やTrustRadiusなど製品レビューサイトを参照したりする。ミレニアル世代の購買時に参考とするリソースのNo.1はレビューサイトのようだ。
・日本のSaaSベンダーも製品サイトのメインビジュアルにITreviewのバッジを表示する会社が増えている。

セールスイネーブルメントの拡大とRevOps

・セールスイネーブルメント、エンゲージメントの市場が成長している。
・不況の影響で投資家から売上アップとコストダウン圧力が強くかかってる。そのため、業績順で営業部門の人員リストラを進めつつも、受注率を高め、営業コストを下げるセールステクノロジーには積極投資している。
・元から成長はしていたが、営業タスクを自動化し、受注率を高めるようなツールがさらに爆発的に伸びてる。わかりやすくoutreachの売上が爆伸びしてるようだ。
・これに伴い、企業側もRevOpsのチームや担当を採用し始めている。
・わかりやすく言えばセールステクノロジーを活用した営業組織改善を専門に担う職種だ。SalesOpsとの違いは、マーケティング・営業・カスタマーサクセスとより横断的に組織を考えたレベニュー(業績)の最大化を狙っている点だ。
・日本で言えば営業企画部門だが、Opsという名称はよりテッキーな印象がある。営業テクノロジーや営業データ活用の意味合いが強い。

openpage藤島の解説

・日本企業においても営業活動の生産性を高めたいはずなので、営業コスト削減にAIを使う、営業の業績改善にイネーブルメント製品を使う、セルフサーブ型購入に対応するためのコンテンツやデモ、レビュー対応などをしていく、といったことは必要になるはずだ。
・ただ日本の営業組織と米国のセールステックテクノロジーのトレンドには、正直かなりの乖離があるように感じる。
・日本企業だとITコンサルティング会社に依頼してやっとSFAを導入出来たという段階で、活用段階に至ってない会社も多いはずだ。
・そんな状況の中、RevOpsや営業のAI活用といっても、???となるに違いない。
・Salesforceの方が言っていたのは、30〜40代の海外卒・外資コンサル出身で影響力や推進力のあるような人物が大手企業の役員になることで、セールステクノロジーが推進されるケースも見ていると話を聞いた。
・正直ながら、それこそミレニアル世代くらいの年代でなければセールステックの進化に追いつけないはずだ。そのため、SaaSのベンチャー企業で揉まれた気鋭のCOOのような方が大手企業に転職し、本文で語られているようなセールステクノロジーを導入するようなストーリーが現実的だろう。
・弊社openpageも、営業企画の30代のスタッフが中心にプロジェクトチームを立ち上げて導入されるケースがあった。
・また、Magic MomentのようなBPOのスタイルで営業組織に入りながらセールステクノロジーを広げていくことも現実味がある。

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